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Blogブログ・国語の力を伸ばすために
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2021.07.13ブログ・国語の力を伸ばすために
続・褒めて伸ばす
前回の『褒めて伸ばす』で取り上げた小2の生徒の文章のどこをどう褒めたか、どう評価したか、というお話をします。
まず1本目の『ゴールデンウィークに何をしたか』。
出だしからいいですね!
「わたしはゴールデンウィークに友だちとよるにとおくの公園までおさんぽに行きました」
主語-述語の関係もねじれていないし、助詞の使い方も間違っていません。
(「~に」が2回でてくるし、語順にも改善の余地はありますが、今は置きます)
・・・というような文法的なことより、特筆すべきはその内容です。
この作文で一番伝えたかった(のだろうと感じました)、最も大切なポイントがきちんとここで示されているのです。
彼女にとって、日記の題材に取り上げて、先生に伝えたいと思った今年のゴールデンウィークの一番の思い出は、
「友だちと」「よるに」「とおくの」公園まで行ったことなのです。
どうですか?
ゴールデンウィークならではの『トクベツ感』と、その時の彼女の『ワクワク感』が伝わってきますよね?
だって、彼女はまだ小学2年生なんですから!
この状況がわかっているだけで、読む者としては、その後の文章が全部「普通の日」の出来事とは違うものと感じられます。
道中、みんなでした「おもしろい話」は「とおくの」公園につくまでの長い時間ずっと続けていても飽きないくらいに「おもしろ」かったのでしょうし、「とおく」まで歩いてつかれていても公園では「友だちといっぱいあそ」べるくらいにテンションが上がっていたわけです。
その盛り上がりの最高潮が「友だちの一人がくものことをくまとよんでいた」事件です!!
これも、きっとこの状況下だったから、「普通の日」の3倍は面白かったことでしょう(想像です)。
その直前に書かれた「すなばに大きなすべりだいがあって、そこに大きなくもがいて」というくだりも、「大きな」が2回繰り返されていることで、ちょっとしたリズムが生まれていて、なかなか詩的ですよね。
街灯の明かりの中に浮かぶ夜の公園、そこから砂場、すべりだい・・・とズームアップしてきてからの・・・はい、出た!蜘蛛!
「うわっ!おっきなくまがいる!!」「くま??」「くまちゃうやん、くもやろー?」「わはははは・・・」的なやりとりがあったのかなかったのか、それは分かりませんが(ここにどんな会話が交わされたのか書かれていると、もっと活き活きとした素敵な作文になりますね!)、友だち同士の楽しげな様子が想像できて、こちらまでクスリと笑ってしまいます。
そして締めの一文です。
「たくさんあそんで楽しかったし、とてもおもしろかったから、また行きたいです」
「楽しかったです」「おもしろかったです」だけで終わらせる子が多い中、「また行きたいです」の一言が加わっているだけで、彼女の「楽しさ」「面白さ」がどの程度だったのかがわかりますね。とてもいい表現だと思います。
また、文章全体を眺めてみた時、言葉の重複が少ないことも良い点の一つです。
「おもしろい話」と「おもしろかった」という繰り返しはありますが、「みんなでわらいました」「楽しかった」「また行きたい」といろいろな表現でこの出来事の「楽しさ」を伝えようとしているところが本当に素晴らしいと思います。
「一つの文章の中に同じ言葉(同じ表現)を複数回使わない」
これ、実は「上手な作文だな」と思わせる重要なポイントでもあります。
お子さまの書いたものを読んだ時、もし繰り返し使われている言葉があったなら、一緒に言い換えられる言葉を探してあげてください。
語彙も増えますし、表現力もどんどんアップしていくと思いますよ。
次回は同じ生徒の書いた作文の2本目、『休みの日にしたこと』の褒めポイントについてお話します。
☆「上手だな、と思わせる作文の書き方」について学びたい!学ばせたい!!・・・と思われた方は、ぜひこの夏開講の「はじめのいっぽ作文教室」にお越しください。