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Blogブログ・国語の力を伸ばすために
Blogブログ・国語の力を伸ばすために
2021.12.15ブログ・国語の力を伸ばすために
これってなんのため?
今回は、子どもたちに『目的』を意識させることによって、何がどう変わってくるのか、についてお話しします。
みなさんは、キッチンに立っているとき、汗をかいた子どもがそばにやってきて「お水」と言ったらどうしますか?
優しく聡明なみなさんは、子供の意(喉が渇いたからお水が飲みたい)を汲み、水道水・・・あるいは冷蔵庫のよく冷えたミネラルウォーターをグラスにそそぎ、笑顔で「はいどうぞ。こぼさないようにちゃんと持ってね」などと言いながら手渡すことでしょう。
でも、ちょっと待って!
そこでぜひともこの一言を。
「なんのためのお水が欲しいの?」と。
「なんのために?」
この声掛けを続けることで、子どもはいつも『目的』を意識するようになります。
そして、そのうち、問われなくてもこう言うようになるでしょう。
「喉が渇いたから、冷たいお水をちょうだい!コップにいっぱい!!」
「ベランダのお花にお水をやりたいから、大きめの容れ物にお水をたくさん入れてよ」
などなど。
『目的』が変われば対応の仕方も変わる、変えてもらえる・・・
幼い時から日常的にそんな経験を重ねることで、逆の立場になった時、つまり他者から何か依頼をされた時に、その相手の意図・目的に合わせて対応を変化させることが必要だ、と当然のように考えるようになります。
『目的』を常に意識し、それを達成するために最適な方法は何かを考えること。
それを習慣づけることは、実は学習面においてもとても有効です。
「国語」に関して言うなら、学齢期の子どもの「読書」の『目的』には大きく分けて2つの側面があります。
①「疑似体験」を通じてまだ少ない経験量を補い、想像力や感性、情緒を育てるための読書
➁多くの語彙や表現を学び、知識を身に付け、より深く考えられる頭を育てるための読書
①は、読書を通じてわくわくドキドキはらはら・・・自分の頭の中に情景を浮かべ、その世界観に寝食を忘れるほど浸ることで、実体験に近い「疑似体験」をすることが『目的』です。
成長に必要不可欠な「経験」の不足を補うことができるだけでなく、書いてある言葉や登場人物のセリフや行動から状況や気持ちを読み取るためには想像力が必要ですから、そういう力も伸ばせます。
➁は、日常会話だけでは身に付かない語彙や表現に触れ、より多くの知識を得、自分の頭で深く考えられるようになることが『目的』の読書です。
そのためにはきちんと論理的に書かれた良書を、「正しい読み方」で「精読」しなければなりません。そうすることで得られた情報を自分の持つ知識や考えと比較、融合することで、子どもたちは次第に良識や正しい判断や行動に結びつけられるようになります。
読書好きだからといって国語の成績が良いわけではない、というのは、特に、この➁の読み方ができていないからだと考えられます。
ただ漫然と、文字を追うだけの読書をしているだけでは、読解問題が解けるようになることはおろか、そこから何か、学びを得られることもありません。
文章には必ず筆者の想いが詰まっています。
筆者がそれを書いた『目的』を常に意識しながら読むことで、そこから得られる情報量は確実に変わってきます。
そして、筆者は確実に自分の主張を読者に伝えるという『目的』のために、普遍的な「論理」に基づいて文章を書いています。
だから、読者はその「論理」に従って読むことで必ず筆者の『目的』・・・つまり「主張」にたどり着くことができるのです。
正しく読むことができれば、逆に自分が、自分の「主張」を他者に正しく伝えるという『目的』を達成するために、どのように書けばいいか、どのように話せばいいか、が分かるようになります。
何を準備し、何をどのような手順で行うべきなのか、考えるようになります。
ここまでいって初めて、読書の➁の『目的』が達成されたと言えるでしょう。
筆者の言いたいこと(主張)はなんなのか?
筆者は、自分の主張を読者に伝える、納得させるために、どんな工夫をしているのか?
筆者の主張をどのように自分に活かすことができるのか?
筆者が「論理的」、つまり、きちんと筋道を立てて書いてあることを正しく読み取るには、その普遍的な「論理」を知ることが必要です。そして、それを使いこなす訓練が必要です。
読み取ったことを「抽象化」し、それを自分事に置き換えて、「具体的」な行動に結びつける・・・
「お水」だけでは正しく伝わらないことに気付き、日常生活の中で、実感として「論理」の大切さを知ること、そして、そうした体験に加えて、きちんとした指導の下に正しい読書を通じて「論理」を使いこなせるようになること。
「論理力」を身に付けるにはこの両輪のどちらが欠けてもいけないと私は考えています。
出口式みらい学習教室では、幼児期から「論理」を意識した読解力を養うプログラムに従った指導を行っています。
常に「目的」を意識することで、他者の「主張」を正しく理解し、自らも正しく「主張」し、行動できる力を身に付けた子どもを育む・・・それが当教室の指導の最大にして最終的な「目的」です。
お子さまに、幼児期より「論理力」を無理なく身に付けさせたいとお考えのみなさん。
ぜひ『出口式みらい学習教室緑地公園駅前教室』にお越しください!