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Blog国語の力を伸ばすために
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2022.12.16国語の力を伸ばすために
冬休みに経験させたいことは?
12月もあっという間に半分が過ぎました。
世界的な新型コロナウィルスの流行から間もなく3年。
まだまだ感染予防対策に気の抜けない日々が続いていますが、
クリスマスの飾りに彩られた師走の街を歩いていると、
行動制限も緩和された影響で、海外からの旅行者も多く目にするようになり、
以前の活気が戻ってきた感じがして、心が弾みます。
そんな中、迎える冬休み。
今年こそは帰省したり、旅行に行ったりして、
子供たちに普段体験できないようなことをさせてやりたい!
・・・と思ってあれこれ計画を立てている保護者の方は多いと思います。
もちろん、長期休暇でなければいけない場所、
出来ない体験をさせてあげるのはとても素晴らしいこと。
でも、なにも遠くへ出かけなくても、
保護者の方が少し工夫をするだけで、
新鮮な体験をさせてあげたり、
新しい知識を増やしてあげることは出来ると思います。
・・・というか、中学受験をお考えの方は、
今からお伝えすることを是非ともやっておいて欲しい!
受験を検討されている御家庭の小学校高学年のお子さんたちに、
物語の読解を指導していて、最近よく思うようになったのですが。
世の中の変化のスピードが速すぎて、
ほんの少し前の時代―祖父母世代どころか、われわれ親世代の「当たり前」でさえ、
今の子どもたちには既に「当たり前」ではなくなっている、ということ。
そもそも、中学受験用の問題、しかも元の作品からほんの一部抜粋されたものなので、
難易度も高く、登場人物の心理描写も難しいものになっているのは当然なのですが、
それを読み取る手掛かりとなるわずかな状況説明、情景描写の部分に、
かつては普通に生活していれば自然と身に付いた、
でも、今はもはやその物自体や習慣がなくなり、
生活様式も変わり、普段目にすることもないせいで、
親子間の日常会話にも出てこず、
その結果、耳にしたこともない、推測することも難しい、
という語彙、表現が多すぎるのです。
季節感を表す自然描写、地域の行事の数々、
舞台となる典型的な日本家屋の部位
(床の間、襖、障子、畳、鴨居、上がり框など)、
親族の呼び方やその関係性
(曾祖父母、甥、姪など。
それぞれの立場によって、同じ人を指すときでも呼び方が変わること。
同居している嫁姑の関係の難しさなど)、
学校生活に関すること
(集団登下校、運動場で行われる全校朝礼、秋の運動会、
廊下に立たされる等の罰、購買、
お弁当を持ってこられない子や
弟妹の子守りや家業の手伝いで遅刻や欠席する子の存在、
級長を任せられる優等生とはどういうタイプの子でどういう権力があったのか、
典型的な不良の行動、先生のえこひいきなど)、
男女の別、親子間で当たり前にあった上下関係や不平等、
貧富の差、差別やいじめ、厳しい徒弟制度、
そういう状況が当たり前だったからこそ生まれる劣等感や反発心なども、
今の子どもたちには理解し難いようです。
キャラクターごとに異なって描かれる、
服装、口調、ふるまいの描写からその人物像を読み取り、
筆者が物語の中でその人物に与えたいと思っている役目を的確にイメージすることも、
とても難しくなっています。
登場人物がおかれている時代背景や人間関係が掴めない状態で、
いくら表情についての慣用表現を知っていても気持ちがつかめない、
解釈を間違える場合もあるので、
知識の詰め込みだけでは足りないと言えます。
物語をよく読んでいる子も、
今の時代が舞台のライトノベルやファンタジー物など、
読む本のジャンルに偏りがある場合、
こういう知識や以前の常識を全く持っていなくても読めてしまうため、
知らない語彙が意外と多いので要注意。
文字で書かれたものを、正しくイメージする力は、
物語の読解に非常に大切な力となります。
保護者の方には、まず、受験国語の物語の問題文に目を通していただき、
どのような時代を背景にしたものが出されているのか、
そこで、登場人物がどのように描かれていて、
そこからどういう人物像を読み取らなければいけないのか、
を知っていただきたいと思います。
そして、
受験を目前に控え冬期講習などで忙しい6年生には難しいかもしれませんが、
年末年始のお休みに、
バラエティなどの正月特番だけでなく、
親世代にとっては懐かしい時代の映画(ジブリ作品でもOK)やドラマ、アニメなどを、
「お子さまと一緒に」ゆっくりご覧になって、
その感想などを親子でたくさん話し合ってほしいです。
目指せ!イメージ力アップで物語の読解力アップ!