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Blogブログ・国語の力を伸ばすために
Blogブログ・国語の力を伸ばすために
2023.04.25ブログ・国語の力を伸ばすために
子どもの国語力を伸ばす方法①
桜も散って、あっという間に4月も半ばを過ぎました。
早く誰かに聞いてもらいたくて仕方ない、という顔で元気いっぱい教室にやってきて、新しいクラス、先生、友達、新学年になって最初に習ったことについて、自分からたくさんの「言葉」で報告してくれる子どもたちを見ていると、とても嬉しくて、同時にホッとします。
反対に、こちらから「新しいクラス、どうかな?」と尋ねても、あまり大きな反応がない子もいます。
これをお読みの皆さんの中にも、お子さんが何も話してくれない、聞いても「別に・・・いつもといっしょ」としか答えてくれない、というお悩みをお持ちの方がいらっしゃることでしょう。
そんな時はどうするか。
ご家庭でも今日から取り組めて、親子の関係も良くなって、子どもの国語力もついでにぐんぐんアップさせちゃえる、超おススメの方法があるので、今回はそれをお教えします!
それは・・・
「質問の具体化」です。
つまり、問いかけの内容を「子どもがイメージ=画像化しやすいもの」にする、ということです。
子どもにとって・・・質問されることに慣れていない子には特に、「どうだった?」という聞き方は実はとても難しい、答えにくいものなのです。
それは、問いかけの範囲が広すぎるから。
子どもって、大人が思っている以上にものすごく「密度の濃い」「忙しい」時間を過ごしてるんですよ。
毎日が新鮮で面白くて、いろんなことに心を動かして、「お勉強」だけではない、様々な「発見」をどんどん吸収して、頭を使って、おそらく大人よりずっとたくさん身体も使っているので、一日の終わりには子どもの中身は「パンパン」になっているものなのです。
そのせいで、「どうだった?」って聞かれても、今日のもりだくさんな出来事のうちの「何」について聞かれてるのか、分からないんですね。
だから、そういうときはまず、「はい/いいえ」で答えられるような、いわゆる「クローズドクエスチョン」を投げかけます。
例えば、「新しい先生は女の先生?」のような。
先生の姿は映像化しやすいでしょうから、そんな質問なら即答してくれるはずですよね?
仮に「うん」という答えが返ってきたとします。
そうしたら次に「オープンクエスチョン」、つまり、子どもが自分の言葉で答える質問をしていきます。
「その先生はどんな先生かな?背は高い?」
「高い」
「お母さんより高い?」
「え?お母さんと?・・・立ってみてよ!!・・・このへんに先生のおなかがあったから・・・このくらいかなぁ?たぶん、お父さんよりも高いよ!」
「へー!そうなんだ!じゃあ先生が手を伸ばしたら、おうちの天井に届いちゃうかもね!(笑)・・・髪の毛は長い?」
「短い!めっちゃ短い!」
「短いんだ!どのくらい?お父さんくらい?」
「お父さんより短いかも」
「そっか。何かスポーツされてるのかなぁ・・・?」
「あ、走るの好き、って言ってたよ」
「走るのが好きなんだね。それじゃあ、休み時間に、鬼ごっことかして、一緒にいっぱい遊んで下さるかもね」
「もう、今日ドッジボールして遊んだよ。先生ね、コートの中すごい走って逃げるし、ボール投げるのも、めちゃくちゃ上手かった~でも、ぼく、先生1回当てたんだよ」
「そうなんだ。どんな気持ちになった?」
「めっちゃ嬉しかった!明日も天気良かったらやろう、って約束したよ」
「それは楽しみだね」
・・・
こんなに上手くいくわけないよ、とお思いですか?
実は、これは先日、生徒と私が交わした会話を少しアレンジしただけの例です。
こんな風に子どもと楽しく会話を続けるポイントは「二者択一だったり、あまり悩まなくても即答できる質問」をしてから、少しずつ「踏み込んだ質問」にしていくこと。反応がいい質問だという手ごたえを確かめながら、深堀りしていくことです。
あまり悩まなくても答えられる・・・とはいえ、やはり聞かれたことのないことを聞かれた時には考えます。
そして、考えることで脳にスイッチが入ります。
スイッチが入れば、答えるために、自分の中のいろんな記憶、手がかりを引っ張り出そうとします。
その作業を経て、頭の中にぼんやりとしかなかったものを「自分の言葉」にできたとき、それは初めてその子の「情報」「知識」「感情」となって定着します。
この繰り返しが、子どもの「思考能力」を高め、「言語能力」を鍛えます。
また、言葉にできたという「自信」、自分のことを「伝えられた、わかってもらえた」という「自信」の蓄積が自己肯定感を高めます。
高い「自己肯定感」は全ての活動の基盤です。
その上にしっかりとした「思考能力」「言語能力」を築くことこそが国語力アップの秘訣です。
最後に一つ、大切なアドバイスを。
質問するときは「詰問しない、誘導しない、急かさない、答えを否定したりジャッジしない」こと。
子どもに「何を言っても受け入れてもらえる」という絶対的安心感の中で答えてもらってください。
これを心掛けて、ぜひ、お子様と楽しくて有益な「親子トーク」を楽しんでくださいね!